2014年02月25日

林葉直子さんとの思ひ出(その3)

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一昨日の「林葉直子さんとの思ひ出(その2)」の続きです。

http://taiyoukansibitosuu.seesaa.net/article/389501684.html?1393279063


林葉直子さんとの奨励会での公式対戦は
3勝0敗と負けたことは無かつた。

当時は女に負けたら頭を坊主にするといふ
慣習があり、他の奨励会員も彼女との
対戦の時は必死に戦つた。

相手が年下でしかも女の子とあれば、
勝つてもともと、負けたら恥といふ空気で、

さういふ勝負は結構辛いものである。


普通に考へればやりにくい相手ではあるが、
私にとつては、一勝が確実に得られるといふ
気持ちの方が強かつたのが幸いしたのかもしれない。

勝負は、はじめから相手を
呑んでかかることも必要なのだ。


3勝0敗と言つても、内容はよくなく、
初対戦の時は序盤はかなり押され気味だつたし、
(私の四間飛車に林葉さんは五筋位取り。
中盤の入り口で彼女に意外な手を指された。
34年前の対局でも序盤ははつきり憶へてゐるものである。)

私が4級、彼女が6級の時の香落ち番は、
終盤でも必敗で、最後の最後で
うっちゃり勝ちしたものである。

しかし形勢が悪くなつても、最後には
自分が勝つだらうと言ふ気持ちがあつた。


これは誰に対しても起つてくる気持ちではない。
特定の相手にだけ、「この相手には負けないな」
といふ気持ちが起るのである。

逆にいへば相手にそう思はれたら、
甚だ不利といふわけである。

しかし、それが油断となり負けることも
あるから、難しいものである。


いずれにせよ、林葉さんは対戦相手全員から、
「この相手にだけは絶対に負けられない」
と思はわれて対局をしていた筈だ。

その勢ひに彼女は完全に押されてゐたと思ふ。

奨励会入会後、彼女がなかなか勝てなかつたのは
将棋の実力以外にさういふ理由もあるのではないか。

(続く)

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posted by あさひ at 08:16| Comment(0) | 若かりし日のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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